貸株って何だ?
貸株は保有している株式を貸し出せば、毎月ちょっとした収入が受け取れるサービスやで。
株式投資をされている方でも「貸株」というサービスを知らない人が多い気がします。
保有している株式を証券会社に貸し出すことで、貸株金利というリターン(収入)を受け取ることができるのが貸株です。
貸株金利は銘柄ごとに設定されており、証券会社によっても違います。
例えば、年率1.0%で200万円の株式を貸し出せば、一年間で2万円の副収入を得ることができます♪
この記事では、貸株のしくみや魅力、証券会社によって異なるサービス内容、楽天証券が提供している信用貸株について解説します。
私の場合、現物保有は約300〜400万円ですが、2021年は40,000円、2022年は34,000円、2023年は32,000円の副収入を受け取ることができました✨
貸株のしくみ
貸株は保有している株式を証券会社に貸し出すことで、その対価に見合った貸株金利を受け取れるサービスです。
なぜ、証券会社は金利を支払ってまで株式を借りたいのか?
証券会社は借りた株式を、空売りをしたい別の投資家に対して、それ以上の金利で貸し出して利益を得ています。
個人投資家は小さな金利でも株式を借りてくれる証券会社はありがたいし、証券会社は借りた株式を使ってさらに儲けることができる。
Win-Winですね♪
貸株のリスク
リターン(貸株金利)があるということは、貸株サービスにも当然リスクがあるということ。
破綻した時に返却されない可能性
証券会社が破綻した場合、貸し出している株式が返却されない可能性があるというのが貸株にとっての一番のリスク。
とはいえ、SBI証券や楽天証券といった大手証券会社であれば破綻する可能性は限りなく低いし、破綻する前に何かしら予兆は察知できるとは思います。
継続保有の権利を失う可能性
ほとんどの証券会社では、配当金(又は配当金相当額)や株主優待の権利確定日だけ貸株を解除する設定があります。
配当金や優待目当ての銘柄でも、安心して貸株をすることができるようになっています。
しかし、銘柄によっては権利確定日以外に株主名簿を確定するところもあるようで、その場合は継続保有の権利を失ってしまうことになります。
どの企業がいつ株主名簿を確定しているかは分からないので、継続保有を優先したい銘柄は貸株しない方が良いかもしれません。
雑所得で確定申告が必要になる可能性
貸株金利や配当金相当額はその他雑所得に分類されます。
そのため、譲渡所得との損益通算はできないし、配当金相当額の場合は配当控除は適用されません。
また、その他雑所得は20万円を超えると確定申告が必要になってきます。
楽天証券では貸株をする際に、配当金で受け取るか、配当金相当額で受け取るかを選べるようになっているため、状況に応じて有利な設定をしておきましょう。
貸株金利の相場
楽天証券を例にあげると、多くの銘柄が最低金利である0.1%に設定されていますが、1.0%以上の銘柄も700銘柄近くあるようです。(2024年1月時点の貸株金利)
貸株金利が3.0%以上の銘柄については以下のようなものがありますが、金利は常に変動するものなので、あくまで相場の目安にしてください。
(楽天証券の場合は毎週金利の見直しがあります)
一般的に高配当銘柄と言われているのが3.0%以上の配当利回り。
貸株金利が3.0%の銘柄であれば、高配当銘柄と同等レベルの収入が得られるということになります。
銘柄によっては貸株金利に加えて、配当金や株主優待も受け取れるので、より大きなインカムゲインの効果が期待できます。
証券会社によって異なるサービス内容
SBI証券や楽天証券、マネックス証券、松井証券など、貸株サービスを提供しているネット証券は多い。
貸株対象の銘柄も設定されている貸株金利も証券会社によって異なります。
例えば、2024年1月に楽天証券で貸株金利が最も高い銘柄はバンク・オブ・イノベーション(4393)の10.0%です。
同じ銘柄でも、これだけ貸株金利に違いがあります。
また、信用取引口座と併用ができなかったり、代用有価証券(信用取引の担保になっている現物)を貸株できない証券会社もあります。
信用取引と貸株の両方を利用している方であれば、貸株金利の高い楽天証券をおすすめします。
SBI証券のカストック
SBI証券には、米国株・米国ETFを貸株することができる「カストック」というサービスがあります。
通常の貸株と同じように、銘柄ごとに設定された貸株金利を受け取りながら、同時に配当金も受け取れるし、いつでも売却可能。
SBI証券会社が破綻した場合に、貸し出している株式が返却されない可能性があるリスクも同じです。
2024年1月時点では、対象の米国株・米国ETFは5,000銘柄以上あり、貸株金利は0.01~2.00%で設定されていますが、そのうち9割以上の銘柄が0.01%の貸株金利でした。
日本株に比べると、かなり低金利ですね💦
残念ながら米国ETFの有名どころであるVT、VTI、VOO、SPYD、QQQなどは全て0.01%でした…。
1.0%以上は75銘柄だけ。
金利0.01%だと100万円分の株式を貸し出しても、年間100円のリターンしかなく、すずめの涙。
米国株・米国ETFに投資していて、貸株金利0.1%以上を持っている方であれば、カストックをやってみる価値はあるかもしれません。
カストックを申し込みが完了すれば、SBI証券のPCサイトから「口座管理」>「貸株」>「貸株金利」>「米国株式サービスの金利一覧はこちら」で全銘柄の貸株金利を確認することができます。
現在、米国株・米国ETFで貸株ができるのはSBI証券だけで、他の証券口座にはない希少なサービスになのは間違いありません✨
楽天証券の信用貸株
楽天証券の貸株は信用取引口座と併用できるし、代用有価証券(信用取引の担保になっている現物)を貸し出することができます。
つまり、代用有価証券を貸し出しても、信用取引の余力は変わらないということ。
だたし、通常の貸株金利にくらべ、信用貸株の金利は少し低く設定されています。
さらに楽天証券の信用貸株では、貸し出し中の代用有価証券の担保金は、分別管理になっているため、楽天証券が破綻したとしても代用相当評価額分は返還されます。
通常の貸株で負うことになる破綻リスクですが、楽天証券の信用貸株の場合はそのリスクを回避することはできそうです。
楽連証券で貸株を始める方法
各証券会社によって貸株の設定方法は違いますが、ここでは楽天証券を例に説明します。
貸株サービスの申し込み
まずは、貸株サービスを利用するために申し込みをしましょう。
国内株式 > 貸株 > 「貸株サービスお申込みはこちら」をクリック。
STEP1:貸株契約書・確認書の同意
必要事項を確認したうえで、チェックを入れて「同意して次へ」をクリック。
STE`P2:株主優待・配当自動取得サービスの選択
特別なこだわりが無ければ「株主優待・予想有配優先」にしておけば、権利確定日には自動的に株式を返却してくれるので、通常の現物株と変わりない運用にすることができるのでおすすめです。
STEP3:申込内容を確認
申込内容を確認して「申込」ボタンをクリックすれば完了です。
新規購入銘柄の自動貸出を設定する
楽天証券では新規購入した株式を自動的に貸し出してくれる、便利な機能があります。
貸株サービスを申し込んだら、初期設定で自動的に貸し出されるようになっていますが、念のため以下の画面から貸株の設定を確認しておきましょう。
国内株式 > 貸株 > 貸株各種設定 > 新規購入(入庫)銘柄の自動貸出設定「設定変更」をクリック。
設定変更画面で「自動で貸出す」を選択しておけば、今後購入した株式は全て自動で貸し出しをしてくれます。
まとめ
残念ながら、新NISAは貸株の対象外となっているようです。
SBI証券や楽天証券、マネックス証券、松井証券のサイトを見る限り、旧NISA・新NISAともに貸株サービスには対応しておらず、特定口座のみのサービスになっています。
貸株は証券会社の破綻リスクを理解したうえで、貸株金利というインカムゲインを得るサービスです。
楽天証券であれば対象銘柄も4,000銘柄以上あり、貸株金利も高水準↗
信用取引口座と併用できるし、代用有価証券(信用取引の担保になっている現物)を貸し出しても、信用取引の余力は変わりません。
貸株を知ったおかげで、2021年は40,000円、2022年は34,000円、2023年は32,000円の副収入を受け取ることができました
株式は持っているだけでも株価によるキャピタルゲインを期待しつつ、株主優待や配当収入を得ることができますが、貸し出すことで貸株金利というさらなるインカムゲインも狙えます。
せっかく保有している株式なので、眠らせておくのではなく、ガッツリと働いてもらいたいですね♪