この記事では時価総額100億円未満の小型株の中から、サービスやビジネスモデルに魅力を感じている企業を紹介します。
KIYOラーニング株式会社はオンライン資格取得口座「スタディング」をメイン事業として、法人への社員教育クラウドサービスなども展開。
学校や塾でもオンライン授業の導入が進み、YouTubeでも多くの専門知識が得られる時代、これからの学びのスタイルも大きく変わります。
オンライン系の資格講座はユーキャン、フォーサイト、クレアール、TACなど、競合が多い市場。
AIによる学習プラン作成や効率的に学べる学習マップ、学習進捗のダッシュボード、励まし合える勉強仲間機能など、学びを助けてくる魅力的なしくみが充実。
テクノロジーを活用して世界一の学習サービスを目指すKIYOラーニングだからこそ、大手に戦いを挑む姿を応援しながら、これからも新しい学びの革新に期待しています。
基本情報
社名:KIYOラーニング株式会社
設立:2010年1月
上場:2020年7月
市場:東証マザーズ
業種:サービス業
時価総額:65億円
株価:951円(現在の株価)
※2023年10月5日時点の株価情報
2020年に東証マザーズに上場したばかりの、若々しく勢いのある企業です。
PERやPBRは一般的な水準から見ると高くなっていますが、投資家達がこれからの成長・事業拡大に期待が込めている数値と言えます。
そもそも、今はサービス業全般がPER高くなってるしね。
利益をどんだ伸ばすかを考えて、割安・割高を見極めたいよな。
主力のスタディング事業
個人向けには「スタディング(STUDYing)」というオンライン資格講座を、法人向けには「エアコース(AirCourse)」という人材育成社員教育サービスを提供しています。
現在のスタディングは国家資格や公的資格を中心に29種類の講座ラインナップがあり、今後もITや語学などカテゴリを増やしていくことで、ユーザー数・売上規模を拡大していけるのが、大きな強みのコンテンツです。
学習履歴データをAIが分析して試験得点を予測したり、受験者ごとに最適な学習計画を立てるなど、ベンチャーのようなテクノロジーを活用した学習サービスを目指しているところも魅力。
毎年新規会員登録数を伸ばしながら、 2021年12月期に21.11億円だったう事業売上は2022年12月期に上方修正を経て26.11億円となり、グングン伸び続けている個人向け事業です。
コロナ禍の巣ごもり需要でe-learningビジネスは盛り上がってきた感じがあるもんね。
拡大中の法人教育エアコース事業
月額のサブスプリクション法人契約で、ビジネススキルやコンプライアンスといった、全ての企業で必要になる知識をオンライン講習で受講できます。
また、各企業ならではの知識やスキルも動画撮影してオリジナルの研修コンテンツを作成できるなど、教育・学習のオンライン化を徹底。
2020年からリモートワークを実施した企業は多く、アフターコロナの時代において、社内研修・教育にオンライン学習を取り入れる企業は増えてくると思います。
エアコース事業は2023年12月期2Qの時点で法人契約590社、2023年12月期の売上高予測は約3.46億円とスタディング事業に比べても1/10程度なので、まだまだこれからの事業です。
国内企業は260万社近くもあるし、企業規模を問わない教育ビジネスだから、契約数に期待したいよな。
これからの期待
2021年1月からブランド周知を目的として首都圏キー局でテレビCMをスタートし、2022年1月15日には俳優の玉木宏さん、2023年には川口春奈さんを起用した新CMを全国的に展開しています。
まだまだ時価総額の小さな企業が、玉木宏さんや川口春奈さんをイメージキャラクターとして起用するところは、プロモーションにかける本気度を感じますね!
過去のCMはコチラ
‣自身の一歩を踏み出そう web CM
‣資格合格パートナー スタディング – スマホで学べるオンライン通信資格講座
また、法人向けのエアコース(AieCouse)はグローバル展開を目指していて、英語版のテスト販売を展開中。
ビジネスマナーや必要なスキルが違うので、各国の文化に合わせたコンテンツ作成は難しそうですが、オンライン学習のしくみはそのまま使えて、成功すれば大きな市場開拓となる期待の取り組みです。
企業の業績
2020年に上場してから順調に売上高は伸ばし、営業利益、経常利益、当期純利益ともに2020年12月期に黒字転換しました。
2022年12月期の売上高である28.48億円のうち26.11億円がスタディング事業なので、これからのエアコース事業の伸びにも期待したいところです。
そして、2023年12月期は売上高37.07億円を目指す右肩ています。
企業の代表
今年で50歳とは思えないほど、見た目に若々しさが溢れている綾部社長。
日本オラクルでは教育コンテンツの企画・開発、IFAコンサルティングでは情報システム導入事業や新規事業として情報活用コンサルティング事業を立上げなどを経験されています。
スタディングの中小企業診断士講座では、綾部社長自らが講師をされているだけに、声や話し方が聞き心地良く、決算発表の説明もスッと入ってきます。
孫正義さんや柳井正さんのようなガツガツの野心的な印象は表に溢れていませんが(内に秘めてるかもしれませんが)、綾部社長の動画からは真摯的で誠実な印象を感じます。
関連情報
著書
‣不況に負けないExcelデータ分析術(2010)
‣学習マップなら! 資格試験に超速合格できる本(2012)
‣通勤時間をフル活用! 中小企業診断士学習マップ合格法(2013)
‣通勤時間で攻める! 中小企業診断士 学習マップ合格法(2014)
‣通勤時間で攻める! 中小企業診断士 1次試験7科目速習テキスト(2014)
‣通勤時間で攻める! 中小企業診断士スタートアップテキスト(2016)
‣通勤時間で攻める! 中小企業診断士スタートアップテキスト<2017年版>(2016)
‣通勤時間で攻める! 中小企業診断士学習マップ最短合格法(2016)
‣通勤時間で攻める! 中小企業診断士スタートアップ一問一答集(2017)
‣通勤時間で攻める! 中小企業診断士スタートアップテキスト<2019年版>(2018)
‣学習マップなら! 中小企業診断士に超速合格できる本(2020)
決算資料
‣KIYOラーニング IRニュース
動画
‣2017/11/27 0円で始める社員教育 AirCourse
‣2020/07/16 KIYOラーニング[7353]東証マザーズIPO
‣2021/02/19 中期経営計画2023及び長期ビジョン2032の策定に関するお知らせ
KIYOラーニングは長期経営計画「長期ビジョン2032」として2032年に売上600億円、営業利益120億円という目標を掲げています。
株主に対して10年先の業績目標を明言する綾部社長の心意気が大好きです。
2020年12月期に15億円だった売上を40倍に、1.7億円だった営業利益を70倍に成長させるこの長期計画を是非とも実現して欲しい。
株価・チャート
2020年の東証マザーズ上場直後は最高値5,689円まで高騰していた株価。
2021年6月30日に最低取引単価を下げるため1対3の株式分割を実施しています。
しかし、2021年初めに3,500円(分割前価格10,500円)あった株価が、2023年4月現在は800円〜1,000円まで下落を続けています。
この状態を割安と考えるか、まだ下降トレンドが続くのか、しっかりと事業を拡大して、長期経営計画の目標に向かって突き進んでくれることを応援したい!