株式投資をなんとなく続けていた私は、セクターローテーションという言葉を知ったのは2021年でした。
今はまだ、セクターローテーションを使った投資戦略を実行できていませんが、株式相場と景気・金利の関係や、資金回転率といった強みを知っておくことは、今後の投資人生にプラスになると考えています。
この記事ではセクターローテーションの概念から、チャート分析ツールTradingViewを使った相場の見方など、投資戦略の幅を広げるための知識を身に付けていきましょう。

凄く大事な戦略なのに、あんまり書籍とかないんだよね。

ググったらそこそこヒットするんやけどな。
1:セクターローテーションとは
景気のサイクルに合わせて、次にくる有利な市場へ投資先を変えていくのがセクターローテーション。
好景気>高金利>不景気>低金利といった景気・金利の循環に合わせて、有利に動く業種が変わってきます。

セクターローテーションとは、相場の流れを感じて、次に好調になる業種へ先回りすることで、勝率と資金の回転率を上げる投資スタイルです。
好景のイイ時期なら自動車とか家電とか消費財関連が強くなり、不景気になれは生活必需品の食品・医療系が強くなるのは、何となく消費者の心理からイメージができそうですね。

少ない資金やったら、なおさら効率よく回転したいもんな。
2:2022年のローテーション
FRBのパウエル議長は、2021年8月に開催されたジャクソンホール会議では、年内にテーパリングを進めることを発言。
そして、2021年12月のFOMCでは、2022年6月予定だったテーパリング完了時期を3月に前倒し、早期に利上げに踏み切る可能性を示唆しました。
まさに、米国市場はコロナショックから回復し、好景気から高金利へとローテーションしていく流れです。

日本市場はというと2012年以降のアベノミクスで弱い景気状態から回復傾向はあれど、コロナショックからの立ち上がりも遅れをとっており、まだマイナス金利・ゼロ金利が続いています。
たしかに、ここ6か月の業種別チャートを見ると、好景気・高金利に強い「素材・科学」「機械」などは不調で、徐々に「金融」が伸びてきている状況。
あきらかに好調な「エネルギー」はロシア・ウクライナ情勢の影響が強いかもしれません。


長過ぎる日本の不景気、早くローテーションしてくれよ!
3:セクターローテーションの魅力
セクターローテーションはアメリカの投資家ジム・クレーマーが戦略として使っています。
その投資スタイルの大きな魅力は、資金の回転率が高くなるということ。
なかなか株価が上がってくれず、くすぶっている銘柄を長期保有するのは、塩漬けじゃなくても資金効率は低くなってしまいます。
1つの銘柄を長期保有して成長を待ち続けるより、成長の少し手前のタイミングを狙って、小さな利益を積み上げていくことが、セクターローテーションの目標です。

常に好調な業界を波乗りできたら、永遠に投資の好景気が続くってことやん。
4:業種別物価指数で見る
東京証券取引所が33業種の株価を集計して、指数化したものが「業種別株価指数」。
この33本の指数をチャートに重ねて表示することで、各業種のトレンド(セクター・ローテーション)が見えてきます。
業種別株価指数の他にも、野村アセットマネジメントの国内ETFの「TOPIX-17 NEXT FUNDSシリーズ」では17業種に分類されています。

景気循環の流れの中で、次に好調になる業種へ資金をシフトしていく戦略は、国内株も米国株も同じ。
米国市場は11業種に分類されており、バンガードやステート・ストリートの業種別ETFなど、これらの動きを意識しておくだけでも、セクターローテーションの気づきになるはずです。


ジム・クレーマーは米国市場のセクターローテーションだけど、景気や金利の循環はどの国でも一緒。
5:TradingViewでチャート分析
証券アプリのお気に入り銘柄に、業種別ETFを登録しておくだけでも、十分に流れを感じる参考になります。
さらに、業種ごとの好調・不調を視覚的に見るためには、チャート分析ツールTragldingViewが最適です。
東証の33業種の「業種別株価指数」をチャートに表示させることはもちろん、あらゆる指標を無料で使うことができます。
業種別株価指数のシンボル33業種を重ねて表示すると、このようにどの業種が調子良いのか・悪いのか一目瞭然。

景気や金利といった経済の動きに敏感になりながら、こういったチャート分析ツールやインジケーターを活用していくことが、セクターローテーションを使いこなせる熟練投資家への近道ですね。

保有銘柄の業種指標を見とくだけでも、買い時・売り時の参考になりそうやな。
6:相場の情報の集め方
セクターローテーションで最も大切なことは、景気や金利の流れを感じながら、常に一歩先を予測していくこと。
さらに、各業種の中でも強いと言われる銘柄を知っておく必要があるので、幅広い情報収集と相場を読む経験・感覚が重要です。
だからこそ、セクターローテーションはベテランの投資家や機関投資家向きの手法と言われています。
最近は相場の流れや各セクターの動きを無料で発信してくれる投資家・相場師もたくさんいるので、ベテランのように自力で予想ができなくても、相場を読むヒントを拾うことができる時代。
例えば、上岡正明さんのYouTubeチャンネル「上岡正明【MBA保有の脳科学者】」では、セクターローテーションの手法や考え方、最新の相場の動きを配信されているので、めちゃくちゃ勉強になります。
上岡正明【MBA保有の脳科学者】
2021年3月9日公開
【有料級】ベテラン投資家が勝つために必ず活用するセクターローテーションを解説
上岡さんは株式会社フロンティアコンサルティング代表取締役でありながら、株式投資で5億円を稼いだ投資家でもあるので、そのノウハウが知れる書籍もたくさん執筆されています。

コンサルティング会社の代表だけあって、YouTubeも分かりやすくて聞き心地がいいよ。
7:幅広い戦略を備える強さ
セクターの波に乗ることができるようになれば、業種だけでなく各国の経済状況を気にしながら、次に盛り上がる国へと資金をシフトさせていくのも戦略です。
これまでセクターローテーションを意識した投資をしてこなかったので、今のポートフォリオを見ると、かなり業種の偏りがあります。
何も意識しなければ、どうしても自分の職業(情報・通信)や興味のある業界(不動産)に目がいってしまいがちですが、それだと業界全体が不調な時期はキツくなってしまいます。
コロナショック後の急回復相場でも、IT関連の銘柄が伸び悩んでしまい、結局大きな利益をあげることができませんでした。
ベテランの投資家になるほど、好調な国や業種をしっかりと捉え、有利な市場の中から強い銘柄を選ぶから、勝率も高く安定した利益が得られるのだと思います。
個別の企業を徹底分析するだけでなく、市場を見る・相場を感じるといった大きな視点で、株式投資を有利に進める投資家になりたい。

相場の波に乗るベテラン相場師…言われてみたい♪
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